数年前にクゥと近所を散歩していた、ある冬のことです。少し離れた場所からずっとニコニコしながらこちらに歩いて近づいてくる女性がいました。年齢は60代と言った感じでしょうか。でも知り合いでもなさそうだし、私はチラッと見ただけで、そのままクゥと散歩を続けていました。
でも、やっぱりニコニコしながらどんどんこちらに近づいてくるし、私も一応笑顔のお返しをすると「いやー、そっくりやね。」とおっしゃいました。びっくりして、もしかしたら母の知り合いなのかな?それとも娘のことを知ってる人かな?だとしても今一緒にいてないのに、なんで親子ってわかったのかな?とか、瞬間的に頭の中を色んな疑問が駆け巡りました。
再び「いやー、そっくりやね。」と私の目の前で立ち止まっておっしゃるので、心の中で「誰とそっくりなん?」って思いながらその方のお顔を見つめました。
すると「このワンちゃんとそっくりやね~。」ですって!
本当は「どこがそっくりなんですか?」と聞きたかったけど、そんな説明を求められてもその方も困るだろうし、私も知らない方なので差しさわりのない事だけ言って、その場を立ち去ろうと思い、「犬は飼い主に似てくるって言いますもんね。私も飼い犬とそっくりなお顔をしてる飼い主さん見たことありますよ。」って、なぜか一生懸命フォローしてあげていました。
すると、あなたいいこと言う!って言わんばかりに「それなのよ、私の言いたかったことは。」と言い残して、私たちの元から立ち去っていきました。
クゥに似てるって言われて、本当の親子みたいでなんか嬉しい♪、と思う反面、わざわざ遠くの方から歩み寄ってくる見ず知らずの方に言われる内容としては、その時はいろんな感情が入り乱れてなんだかなぁ~て感じでした。
今日はふと、そんな遠い日の出来事を思い出して、やっぱり私とクゥは、血はつながっていなくとも、他人から見ても本当の親子のように見えたんだなって思えて、胸の奥の方があったかくなりました。
あの女性が誰だったのかわからないままですが、すごく印象的だったので、こうして思い出すことができてよかったです。あの時いただいたメッセージは、今では私の宝物になっています。ありがとうございます。